東北D2Cアワード

東北D2Cアワード
最優秀賞&優秀賞 発表

全体を通じて 審査員講評

最終審査に残った皆さんは、いずれも思いのこもったストーリーをもとに素晴らしいものづくりをされていると、強く感じることができました。岩手県には素晴らしい歴史と風土と文化があり、それを支えてきた人がいて、豊かな自然に恵まれていることを改めて認識し、岩手県のD2Cブランドを輩出するポテンシャルは相当なものがあると思います。全体を通して非常にハイレベルだった中で今回の優秀賞は、商品が魅力的かどうかはもちろんのこと、その上である程度のボリューム感が見込める世の中のニーズを捉えられそうかという視点で選ばせてもらいました。

最優秀賞
有限会社三陸とれたて市場
有限会社三陸とれたて市場
盛るだけお造り・天然旬凍
(50g CAS凍結刺身パック)
商品概要

三陸海岸で漁獲される高鮮度の多様な魚介を原料に、徹底した品質管理のもと、手仕事と最新のテクノロジーであるCAS凍結機の融合により、新鮮な刺身をいつでもどこでも利便性高く提供する事を可能とした新商品です。1袋50g(約1.5人前)にパックされており、食べたいときに冷凍庫から取り出し、流水解凍僅か5分で、浜の鮮度を手間なくロスなくお楽しみいただけます。

審査員の評価ポイント

「いい鮮魚を、いい下処理を施して、生で流通させずに、冷凍の切り身のお刺身として流通させる」ことは、もしかしたら鮮魚市場で働く人の常識からは外れているのかもしれません。しかし、その常識の外側に踏み込んで生まれた、おいしく使いやすくロスのない冷凍のお刺身は、三陸の鮮魚の素晴らしさを多くの人に届ける素晴らしい商品だと思います。

優秀賞
岩手製鉄株式会社
岩手製鉄株式会社
ダクタイルディープパン
商品概要

鋳物素地の上に表面を固くする窒化加工をし、その上に錆びないように酸化加工を施す鋳物三層構造という世界初の技術を使った直径24cmの深型のパンです。従来の鉄器の「重い、手入れが面倒で錆びる」といった欠点を克服。調理に最適な鉄を家庭の調理器具の中心に取り入れていただき、おいしい調理がより手軽にできるようなライフスタイルを提案します。IHにも対応しております。

審査員の評価ポイント

「軽くて薄くて扱いやすい毎日でも使いたくなる鉄のフライパン」は、気の遠くなる技術の鍛錬の末に生み出されたものだと容易に想像できます。整型の難しさなど、相当なものなのでしょう。この嘘のない圧倒的なものづくりの力は、より洗練されたブランディングと掛け合わされば、さらに多くの人々を虜にしていける可能性があると感じました。

優秀賞
有限会社高倉工芸
有限会社高倉工芸
癒しほうき
商品概要

掃除の道具としてのほうきではなく、ペットと飼い主のコミュニケーションツールとして開発したのが、“癒しほうき”です。ペットをほうきで撫でてあげることで、ペットが癒され、飼い主も癒される、そんな双方の幸せを願って作っています。岩手の冷涼な気候でゆっくり育った当社のホウキモロコシは、他の地域では生まれない縮れを持ち、これがペット特有の細かい毛を取ってくれます。

審査員の評価ポイント

「南部箒の新たな需要を開拓する」というお題に対する見事なカウンターパンチ!まさか犬や猫を癒すための箒だなんて!お客様の声をもとにされたとのことですが、実際に開発する行動力も含めてとても大胆で面白いと思いました。少子高齢化やステイホームの影響を受けてペット市場は近年活況で、その追い風も期待できそうです。

優秀賞
株式会社ヘラルボニー
株式会社ヘラルボニー
ヘラルボニーアートネクタイ
商品概要

HERALBONYは知的障がいのあるアーティストが描くアート作品をプロダクトに落とし込み、社会に提案する岩手県花巻市発のブランドです。アートネクタイは、花巻市のるんびにい美術館に所属する作家の作品を使用し、 シルク100%、織りで作ることで、作家のこだわりを緻密に表現しています。アートネクタイを通して、知的障害のあるアーティストの賃金向上に取り組むと同時に、 “普通”じゃない、ということ。それは同時に、可能性であり、強烈なアイデンティティがある作家だからこそ描ける世界があるということを世に発信しています。

審査員の評価ポイント

まず、それが誰がつくったものかは関係なく、単純にかっこいいプロダクトだと思えるデザインに目を奪われました。そのデザインを再現する生産工場を厳選し、妥協のないプロダクトに仕上がっていると思います。障碍を持ちながらもアーティストとして活躍できるよう、社会的な注目が集まり利益が還元される仕組みも見事だと感じました。

優秀賞
株式会社マルイ造形家具工業
株式会社マルイ造形家具工業
七輪囲炉裏
商品概要

新型コロナウイルス感染症の影響で、ステイホームの傾向が増していく中で、家の庭でキャンプをしたり、庭のエクステリアをおしゃれにしたり、アウトドア派の人たちはキャンプ用家具をあえて家の中で使うといったことがブームになっていることと、キャンプではグランピングという高級キャンプもここ数年流行しています。また、キャンプでの自分の空間をおしゃれに演出する人たちが非常に多く、その演出ができる家具。少人数で囲める、コンパクトな円居の場となります。七輪の高さ変更可能。また、使用する姿勢に応じて高さ変更が可能となる構造です。組立&分離式構造で分解すると持ち運びやすいコンパクトなサイズになります。

審査員の評価ポイント

「キャンプにも持っていける七輪囲炉裏」という発想が素晴らしいと思いました。自然を楽しむキャンプではこだわりの木製の道具を使いたい、と考える人がいるのも想像できますし、それを実現するのが南部箪笥で培った指物技術というのも素晴らしいストーリーだと感じました。さらに価格も相当リーズナブルで、今後の展開がとても楽しみです。